天才肌よりハードワーカー。
名古屋までの屋根下バスの中で2003年のマリノスの試合を見ていた。
岡田監督は簡単に選手を褒めない。常に「常勝」を意識し、何が足りないかを追い求めていた。選手も同様。ホームで清水に大勝しても故障上がりの遠藤は自分のプレイの判断スピードの遅れを反省していた。
自分たちのプレーへの飽くなき上昇志向。妥協しない監督。そんな空気がそこに流れていた。
昨日の相手は名古屋。正直ウチらもグダグダだけど勝たなきゃいけない相手だった。勝てる相手だった。GWの渋滞を乗り越えスタジアムへ応援に行ったサポーターがそこで目にしたものは相変わらずのグダグダと集中力のなさからの失点シーン。
俺らはサポーターだ。イレブンを愛している。だから歌い、跳ね、叫び、旗を振り、イレブンを無償の愛で応援する。だから渋滞がどうのこうのなんて関係ないのだ。ただ見たかったものはそんな俺らに勝利への執念だけを見せて欲しかった。
バスの中で読んでたナンバーの久保の記事にこんなことが書いてあった。インド戦でのパスの出し手となるはずの長谷部との関係でのことだ。絶好のチャンスで長谷部は久保の欲しいタイミングでパスを出さなかった。
「次に長谷部がボールを持ったときのタツの動きは明らかに淡白になっていた。タツはパスが出てくると思った選手なら一度のタイミングでパスが出てこなくても何度でも動きなおす。動きなおせばパスが出てくるってわかってるから。でもあのときの長谷部は違った。その次からタツの動きが一発で終わることが目立ったね」
天才肌でも構わないときもある。でも今は久保の欲しいボールを出せないチームを責めることはできない。若いマイクやオオシの必死さに比べて久保は明らかに消えていた。マイクのがむしゃらさ。そしてすべての選手がハードワーカーに徹することが今は必要だ。孝行とジローが二人そろって中盤に下がってきて久保を孤立させたことも問題だがパスを待つばかりでなく、欲しいボールをもっと仲間に伝えることが彼には必要だ。
俺らもハードワーカーに徹して応援しなければならない。変わることなく跳ねて、歌って、旗を振って、ゲーフラをあげて。まったりとした空気は作れない。
何しろ土曜の相手は浦和を倒して波に乗る「ハードワーカーの集団」ジェフが相手なのだから。
追記:岡田監督はやはり甘くなっているのか。2003年1st優勝後のコメントで「棚からぼた餅がいくつも落ちてきて掴んだ優勝」と優勝の質を決して評価しなかった人なのに、昨日の試合後のコメントはこうだった。
立ち上がり、グランパスが素晴らしい気迫で、前へ前へプレッシャーをかけてきた。ある程度予想はしていたので、ウチの松田を中心にしたスリーバックが非常によく耐えてくれた。後半になってから、相手の前線と中盤の間が空いてくるだろうということで大島を入れて、そこまでは予定どおりだったが、最後のセットプレーでやられてしまった。まず安易にフリーキックを与えてしまったことがよくない。そして、ずっとそうなのだが、人に付ききれていない。それが、きょうも出てしまった。しかし、ここで勝ち点2を失ったというより、勝ち点1を取れたと考えたい。
同じミスをする選手に甘くないか?こんな失点でいくつ勝ち点を逃していくのだろう・・・
by trico_dragon_no_9
| 2006-05-04 15:38
| 横浜F.マリノス