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前略、テレビ前から。

前略、テレビ前から。_b0038792_0272991.jpg折り返しの一発目、大分戦はテレビ前での観戦だった。
それもスカパーの何度目かの再放送。とにかく仕事関係で身動きとれず、本放送はおろかビデオも録画失敗し、何日か後の夜の11時に試合の全貌が見れた。

「いいチームになったなぁ・・・」
最初の感想だった。時間とか、テレビカメラ越しとか、いろいろなフィルター越しに覗いた愛する我がクラブは本当に輝いていた。ひょっとしたら今年というシーズンはとてつもなく楽しいシーズンなのかもしれない。去年、一昨年はもちろんのこと、ある意味で優勝した04シーズンよりも・・・


去年のシーズンの終わり。
天皇杯の最後の試合に参戦することも出来ず、リアルタイムに見ることもなく、今回と同じようなシチュエーションで試合を見た感想は「つまらないチーム」という印象だった。
スタジアムでのコールの必死さとか、根性入れての旗振りとかを全部取っ払って、さらに熱狂の感情を時間とカメラレンズのフィルターで取り除いてみた愛するチームの感想が「つまらない」だった。
坂田のゴールは美しかったとはいえそれ以外のボールの運び方は意思もなく、苦し紛れのロングボールばかりでつまらなかった。そしてシーズンの終了とともに訪れた感情は「来季は本当に苦しいシーズンかもしれない」という事実に向かい合う覚悟を決める葛藤に終始したような気がする。
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ファン感に行き、PSMを観にいっても完全な覚悟は出来なかった。必死に「今年は成長するチームを見ることを楽しむんだ」と言い聞かせるように口にしていた。

第1節に勝利し、すべては杞憂かと思った。山瀬のドリブルは彼に恐怖感をおぼえ、同時にいい選手だと瞬時に感じた04シーズンナビスコカップでの彼と同じドリブルだった。明るい材料を手にし、これを確信に変えようとした第2節に屈辱が訪れる。
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えふしーに敗戦。

横浜の偽物に敗戦。


くすんだ水色が疎ましく、えふしーのフラッグが翻る三ツ沢は悪い夢の中に沈んでいた。
ただひとつ、あの試合以降、何かが吹っ切れた。
チームのすべてを愛してやろう。親をなくした子どものように自信をなくした新人選手を愛で包んでやろう。不振にあえぐチームの中で笑顔を忘れた中澤が代表での勝利に澱みない笑顔を見せたとき、これをなんとかして横浜にもって帰りたいと思ったのはちょうどそんな頃だった。
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ナビスコアウェイ清水戦。
90分間、アモールを歌い続けた。怖いくらいアモールに感情が乗った。
「俺たちはここにいる。ずっと近くにいる。何があっても近くにいる。だから安心して戦え!」
そんな気持ちとアモールがシンクロした。記憶の中ではあの日の布陣は決してそれまでのベストの布陣ではなかった。ただ、この日以降この布陣がベストの布陣となった。


補強選手ゼロ。
外人選手ゼロ。
若手主体。


このチームにたくさんの喜びを教えてもらった。
信じること。そして愛すること。本物の横浜としてのプライドを心に持ち続けること。
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日曜日にはナビスコカップ準決勝。「思いはひとつ、国立へ」を胸に前進するのみ。
前進に前進を重ねてリベンジは必ず勝ち取る。

俺たちが横浜 もう誰にも止められない。
by trico_dragon_no_9 | 2007-07-05 01:32 | 横浜F.マリノス