ストライカー稼業。

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ヨンゼロ祭りで勝ったとしても、決して彼の心は穏やかではないだろう。ストライカー稼業ってやつは二人並べばひとりが向日葵になり、ひとりは月見草になる。その狭間で立ち居地を巡り激しくやりあう。ましてやスタメンか、ベンチスタートかでは更なる差が生まれる。この日のスタメン2トップは普段スタメンを争うロニーと坂田。土曜日に今季初ゴールでサポーターを沸かせたロニーに何としても追いつきたいのが坂田だ。

あらためて言うまでもなく、坂田大輔はユース育ちの生え抜きだ。今の横浜のゴール裏の空気からすればもっと愛されてもおかしくない男。ただ、彼が選んだ「ストライカー」って稼業はそんなアドバンテージを見てくれないシビアな稼業だ。

長らくゴールが生まれなかったロニーは愛を持ってゴールを待たれてコールされ、ゴールを決めて祝福され、この大宮戦では2ゴールを決めてヒーローだ。一方同様に初ゴールが遠かった坂田だがゴール後はロニーのような騒ぎの中にはいなかった。いや、ロニーの2ゴールの陰で咲く月見草でしかなかった。

この状況を憂うべきか、否か。

答えは「否」だ。坂田は常にスタメン当落線上にいることで成長してきたのだ。アン・ジョンファンと競い、後に共存した04シーズン。マルケスにその座を脅かされた06年。いずれのシーズンの後の坂田はひとまわり大きくなっている。

ヒーローインタビューを終え、ロッカールームに帰る彼の背中に聞こえたのは浮かれ気分いっぱいのサポーターの「ロニーゴール!」コール。
きっと悔しかったに違いない。男なら足りない何かを自覚しながらも葛藤し、心の中で地団駄を踏むだろう。

すべては愛ゆえに。愛ゆえに彼を追い詰め、神憑り的な加速力と思い切りの良さの復活を願っている。坂田よ、這い上がれ!

ナビスコカップグループリーグ第3節

横浜F.マリノス  vs  大宮アルディージャ
        4  -   0    

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by trico_dragon_no_9 | 2008-04-19 03:38 | 横浜F.マリノス