ストライカー稼業。
あらためて言うまでもなく、坂田大輔はユース育ちの生え抜きだ。今の横浜のゴール裏の空気からすればもっと愛されてもおかしくない男。ただ、彼が選んだ「ストライカー」って稼業はそんなアドバンテージを見てくれないシビアな稼業だ。
長らくゴールが生まれなかったロニーは愛を持ってゴールを待たれてコールされ、ゴールを決めて祝福され、この大宮戦では2ゴールを決めてヒーローだ。一方同様に初ゴールが遠かった坂田だがゴール後はロニーのような騒ぎの中にはいなかった。いや、ロニーの2ゴールの陰で咲く月見草でしかなかった。
この状況を憂うべきか、否か。
答えは「否」だ。坂田は常にスタメン当落線上にいることで成長してきたのだ。アン・ジョンファンと競い、後に共存した04シーズン。マルケスにその座を脅かされた06年。いずれのシーズンの後の坂田はひとまわり大きくなっている。
ヒーローインタビューを終え、ロッカールームに帰る彼の背中に聞こえたのは浮かれ気分いっぱいのサポーターの「ロニーゴール!」コール。
きっと悔しかったに違いない。男なら足りない何かを自覚しながらも葛藤し、心の中で地団駄を踏むだろう。
すべては愛ゆえに。愛ゆえに彼を追い詰め、神憑り的な加速力と思い切りの良さの復活を願っている。坂田よ、這い上がれ!
ナビスコカップグループリーグ第3節
横浜F.マリノス vs 大宮アルディージャ
4 - 0
by trico_dragon_no_9
| 2008-04-19 03:38
| 横浜F.マリノス