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Tricolor The Golden Age!

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円陣を解いたイレブンの顔はなぜか笑っていた。
アウェイの初戦の相手は札幌。毎年昇格組に苦汁をなめさせられている横浜。普通に考えれば悪いことばっかりが頭をよぎるだろう。「今年も初物に泣かされるのか」と。
敵将三浦は大宮を率いて何度となく嫌な思いをさせてくれた男。この札幌の地でもアリゴ・サッキのようにフラットに並べた4-4-2布陣で横浜の攻撃のゆく手を阻む。

でも。桑原監督に率いられた新生Fマリノスは新型の羅針盤を手に入れたのか、ぶれることなくその航路を突き進む。札幌がペナルティエリアで何度となくチャンスを奪おうとも、PKの危機に晒されても、ダヴィに先制されても、焦ることなく勝機を伺っていた。
サポーターも同じ。最果ての地に来ても自分たちのやることに集中する。たとえ四面楚歌のごとく敵の手拍子が聞こえようとも、押し返すようにコールする。最後の歓喜の瞬間を信じて。

功治がコーナーに立ったとき、「ここで必ずヘッドを決めるはず」と信じた俺は崖のように急勾配のスタンドでいつもよりも1.5倍の気合で跳ねた。栗原が跳んだ。でもその奥の男はさらに高く跳んだ。大島秀夫、渾身のヘッド一閃。
さぁドローだ。でもこれじゃ終われない。絶対に勝ち点3を持って帰る。誰もがセンターサークルにボールを持ち帰る横浜イレブンを見ながらそう思ったはず。呼応するように早いパス回しで功治にボールが渡る。思い切りよく放たれたミドルはコンサのGKの手で弾き返されたがこぼれ球は再び大島の前へ。

揺れるネット。最上級のカタルシス。

シーズンは始まったばかり。完成度もまだまだだけど、すべての設計図を手にしているかのように桑原監督は落ち着いている。「むずかしいゲームになることはわかっていた」と笑顔で語る監督は選手の人心掌握を完全にしているのだろう。

すすきので馬鹿になれてよかった。笑顔の馬鹿。そうなれたのもチームのおかげ。
まだまだいくよ!
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2008年 Jリーグディビジョン1 第2節
コンサドーレ札幌 vs 横浜Fマリノス
スコア:札幌1-2横浜FM

by trico_dragon_no_9 | 2008-03-18 03:06 | 横浜F.マリノス